看護師の退職金はいくらもらえる?平均・相場はどれくらい?

看護師の転職の疑問

今の待遇に不満があるので、他の病院に転職を考えています。今年で、勤続6年目なのですが、そもそも退職金の支給があるのか。退職金をもらえる場合は、どれくらいもらえるのかを知りたいです。(看護師6年目)

『退職金』、『退職慰労金』、『退職手当』、『退職一時金』など、病院によって呼び方が異なります。まずは、今勤務されている病院にこのような制度があるのかを確認。また、退職金の計算方法は、大きく4つあります。

この記事では、看護師の退職金の仕組みと、カンタンにできる退職金の計算方法を解説します。

看護師の退職金はいくらもらえる?勤務年数の影響は?

看護師として働き出して2年、3年と勤務年数を重ねていくとどうしても気になるのが『退職金』。

『今後、違う病院に転職する際に自分は退職金をもらえるのだろうか。』と悩んでいる看護師の皆さんもいると思います。

そこで、気になる看護師の退職金の計算方法世間の看護師の退職金の平均金額などをご紹介します。

まずは、勤務先の退職金制度の有無を確認

病院・クリニックによって、そもそも退職金の制度がない病院もありますので、一度自分の勤務している病院・クリニックに退職金制度が存在するのかどうか、就業規則を確認するようにしましょう。

編集部

就労規則がすぐに見れる職場ならよいのですが、人事総務に訊かないと就業規則が見れないという場合。
人事総務から就労規則の閲覧の理由等を訊かれた場合に、素直に『退職金を知りたい』というのはよくありません。

例えば、忌引の規則(対象の親族の範囲、日数など)を知りたいや、結婚をされている方であれば、産休や育休などの制度を詳しく知っておきたいなど、当たり障りのない理由を伝えて、就業規則を見せてもらうようにしましょう。

病院・クリニックによっては、『退職金』の表記ではなく『退職慰労金』や、『退職手当』『退職一時金』などの表記になっている場合もあります。通常は『退職金』と同じ扱いになりますが、実際に退職を伝える前に確認しておくといいでしょう。

また、一概に退職金と言っても、退職金の計算方法や退職金の支給基準は病院によって様々です。そこで、その中でも一般的な退職金の計算方法・支給基準を4つセレクトし、それぞれの特徴について解説していきます。

ぜひ、あなたが今、病院・クリニックを退職したとしていくらくらいの退職金を貰えるのかの目安にしてみてください。

よく使われる退職金の継続年数の計算方法

まず、どのパターンでもほぼ共通している退職金の条件があります。

それは、『勤務年数が3年以上経過していること』

この勤務年数は、看護師だけでなく一般企業でも多くの企業が設けている年数です。

そのため、2年半年くらいで退職を考えているようでしたら、もう半年待って退職金を支給される条件を満たしてから転職をするといいでしょう。

しかし、こちらも病院・クリニックによって例外もありますので、事前の確認は必要です。

また、雇用形態によって退職金の支払いがあるのかないのかがわかれます。正規職員であれば退職金制度は比較的整っていますが、非常勤での勤務、パートタイムでの勤務の場合は、勤続年数に関わらず退職金は発生しない場合が多くあります。

こちらも就業規則で確認を怠らずに。

では、実際によくある退職金の計算方法について解説していきます。看護師の皆さんの退職金の計算方法としてよく使われるパターンは大きく分けて4つあります。

退職金のパターン(1) 毎年固定の金額×勤続の年数

病院・クリニックの就業規則で定められた金額を勤続年数で掛けて計算する方法です。

この場合、就業規則に金額が記載されていますので、自分の病院・クリニックの就業規則で実際の金額を確認しましょう。

毎年固定の金額×勤続の年数での計算方法

計算方法:毎年の固定の金額(10万円)×勤続年数(5年)=50万円(退職金)

退職金のパターン(2)勤続年数によって固定の退職金

勤続年数によって固定の退職金の金額を定めている場合がこのパターンです。

この場合は、就業規則に勤続年数毎の退職金を記載していますので、こちらの場合も就業規則を事前に確認し、退職金がいくら貰えるのかを確認しましょう。

また、勤続年数の定義も事前に確認を忘れずに。入職日からいつまでを勤続年数1年目として計算するのかによって、ぎりぎり3年に満たなくて退職金が貰えなかったという事も発生してしまいます。

退職金のパターン(3)毎月の基本給×勤続年数

お給料の基本給に勤続年数をかけて算出する方法。毎年基本給があがっていけば、それにともない退職金もあがっていきます。

毎月の基本給×勤続年数での計算方法

計算方法:
基本給17万円×勤続年数(2年)=34万円 + 基本給20万円×勤続年数(3年)=60万円
34万円+60万円=94万円(退職金)

退職金のパターン(4)毎月の基本給×勤続年数×(貢献度・功績)

パターン2にさらに、病院への貢献度、仕事の功績などを掛け合わせる方法。

貢献度・功績をどのように数字に換算するのかは、病院側のさじ加減になるため、プラスの場合はかなり上乗せになるが、逆にマイナス査定になってしまうと減額されてしまう場合も。

このパターンの退職金制度の場合は、円満退職になるように最大限心がけるようにしましょう。

毎月の基本給×勤続年数×(貢献度・功績)での計算方法

計算方法:
基本給20万円×勤続年数(3年)×貢献度(140%)=84万円

平均的な看護師の退職金の相場はどれくらい??

計算方法は分かっても、自分の勤務先の病院・クリニックの退職金が実際に平均的な看護師の退職金と照らしあわせて多いのか、少ないのかの判断がつきませんよね。

そこで、平均的な看護師の退職金の相場を参考までにご紹介します。

勤続年数別の看護師の退職金相場

3年 :20万円~30万円
5年 :50万円~100万円
10年 :200万円~400万円

病院の規模によって退職金の金額はもちろん変わってきます。規模が大きければ退職金の金額は増える傾向に、規模が小さなクリニックでは平均を下回ることも多くあります。

この金額は参考値として見るようにしてください。

退職金制度がある病院・クリニックの特徴とは

比較的、退職金制度が整っている病院には以下の特徴があります。このような病院に勤められている看護師の皆さんは、退職金を貰える可能性は高くなります。また、今現在当てはまらない看護師の皆さんも、今後転職を考える際に、参考にして頂ければと思います。

退職金制度が比較的整っている病院

・国公立の大学病院
・自治体が運営の公立病院
・地方の中核的な大規模の病院
・福利厚生が充実している美容系のクリニック

中でも、自治体などによる公立の病院、国公立の大学病院などは、待遇が公務員と同水準になっている場合も多いため、手厚い退職金制度になっている場合が多くあります。

上記のような病院以外でも、近年は、看護師の人材不足のため、看護師の福利厚生の一環として退職金制度を整えている病院も増えているようです。

看護師のニーズが増えている今が、ご自身の待遇を向上させるタイミングかもしれません。

最後に、退職金制度が整っている病院を探すコツをお教えします。

退職金のある病院・クリニックに転職するには

転職先の病院・クリニックでも退職金制度がある所を選ぶには求人票をしっかりと確認するようにしましょう。

求人票の記載に『退職金制度あり』と明記されていない場合は、退職金はないと思ったほうがよいです。

とはいえ、すべての病院の求人票を確認するのも大変だと思います。また求人票には書いてあったけど、実際に入職したら条件が違かったと言うこともしばしばあります。

そこで、活用をおすすめするのが看護師の求人サービスです。ハローワークなどは、求人側が書いたものをそのまま掲載するだけですが、民間の看護師の求人サービスは、企業が一つ一つ確認した情報が掲載されているため、正確な情報を得ることができます。

また、登録するとあなた専属の転職コンサルタントが付きます。そのため、コンサルタントにあなたの希望を伝えるだけで、あなたの希望に沿った求人を紹介してくれるため、『退職金がある病院を希望します』と伝えるだけで、ミスなくあなたの希望条件にあった求人を紹介してくれます。

給与面や、福利厚生など自分ではなかなか聞きづらい部分だと思います。そういう自分では聞きづらい部分も、コンサルタントに伝えるだけでしっかりと回答をもらうことができるのは、民間の看護師求人サービスならでは。

転職に不安がある方には、まずは登録して転職のプロに相談してみてはいかがでしょうか。