看護師のうつ病の現実と対策

近年ずっとサラリーマンの鬱病(うつ病)問題がとりあげられていますが、一般のサラリーマンよりも過酷な仕事環境で働いてる看護師のうつ病についてはあまり取り上げられていません。看護師の鬱病の実態はどうなっているのでしょうか。

看護師のうつ病の現実と対策

夜ベッドに入ってもなかなか寝付けない、睡眠を多く取っても疲れがとれない、平日も休日も1日中気持ちが落ち込んでしまい、今まで楽しめていたことが楽しめなくなっている。よく言われる鬱病の代表的な症状です。こういった症状がでてきたら身体が限界を超えているサイン。うつ病は、脳がストレスや身体の疲れの蓄積などに耐えられなくなっています。脳からのsosを無視してそのまま頑張り続けてしまうと、自分が出来ない人間、社会不適合者だと思い込んでしまい、最悪自殺に繋がることもあります。

看護師のうつ病の実態は??

看護師の皆さんは特に、『人の生命を扱う』という、常に緊張感が必要とされる仕事です。また、一回あたりの勤務時間も長い上に、夜勤で生活が不規則になりがちです。そのため、看護師のうつ病(鬱病)の発生率は一般の社会人よりも高いと言われています。ある民間の調査会社のデータでは医療従事者の約5%の方が鬱病になっているという結果が出ています。

看護師のうつ病の増加の原因は人手不足も要因

看護師のうつ病の発症率が上がっている要因の一つとして、慢性化している看護師の人手不足があげられます。常にギリギリの人員で勤務シフトを組んでいる為、自由に有給休暇も長期休暇も取ることができない看護師の方も多いのではないでしょうか。看護師の年間の平均休日日数も一般のサラリーマンと比べ10日以上も少ないという調査もあります。こういった待遇面の悪化が看護師のうつ病の危険性をさらに悪くしています。

また、看護師は患者さんの前では弱い一面を見せることは出来ませんので、仕事中は常に明るい態度で患者さんに接しないといけません。どんなに身体がつらくても、精神的につらい時でも、患者さんに暗い顔を見せるというのは避けなくてはなりません。そのため、周りにはあなたが追い込まれているということが気づきにくい状況になっているという事が懸念されます。

こういった状況に、自分自身が追い込まれる前に、職場改善を訴える事も重要です。苦しんでいるのはあなただけではありません。同じような状況下で働いている同僚の看護師もあなたと同様にツライ想いをしているかもしれません。

一人の意見ではなかなか通りにくいかもしれませんが、職場の多数の意見であれば、職場勤務環境の改善も可能性が出てきます。

待遇面の改善の見込みがない場合は悪化する前に環境を変える事も重要

こうした、行動を起こしてもまったく改善の見込みがない場合は、あなたの心が悲鳴を上げる前に、職場を変えるということも大切。

うつ病気味になってしまうと、何か嫌なことやちょっとしたミスでも、どうしても自分が悪い、自分が仕事ができないからミスしてさらに忙しくなってしまう、と自分を追い込んでしまいがちになります。しかし、そういう風に考えるのは完全に間違いです。

あなたは悪くありません。あなたの仕事ができない訳ではありません。
完全に追い込まれてしまう前に、休職・退職も選択肢の一つとして考えてください。

まずは、時間をとって心身ともに休むこと。仕事と完全に離れて自分だけの時間を持つこと。

それが一番大切です。