車いすで看護師復帰 患者目線で闘病つづる 兵庫県

 厚生労働省指定の特定疾患「多発性硬化症」で一時寝たきりになりながらも、懸命なリハビリで医療現場に復帰した兵庫県伊丹市立伊丹病院の看護師安達千代美さん(49)がつづった体験記が、日本看護協会のコンクール「忘れられない看護エピソード」で、最優秀賞に次ぐ、内舘牧子賞に輝いた。(太中麻美)

 1996年、勤務中に突然視界が暗くなり、右目が見えなくなった。医師から、脳や視神経に繰り返し炎症が起きる多発性硬化症と診断された。何とか看護師を続けたが、98年、脚に力が入らなくなり入院。体の自由が利かなくなり、一時は首が据わらず寝たきり状態になるなど、病院で8カ月間を過ごした。

 「歩けないという感覚が理解できず、ベッドから何度も落ちた」と安達さん。看護師から「勝手に動かないで」「何で呼んでくれなかったの」と言われるたび、悔しさと申し訳なさが募った。

 一方で、入院中に見聞きした看護師たちの姿や言葉が、復帰に向けた心の支えになった。

 ベッドから落ちた時、抱きかかえながら「ごめんね、つらかったね」といたわってくれた。母親が病室の外で声を押し殺して泣いていると、そばに寄り添ってくれたという。「自分ならできるだろうか」。看護師としての言動を日々振り返っていることに気付いた。

 退院後は在宅医療や訪問看護を受けながらのリハビリ。3年の休職を経て、車いすで現場復帰した。患者の在宅療養や往診などが円滑に進むよう、医師やケアマネジャーなどと連携する「退院調整看護師」として勤務する。

 安達さんは体験記の最後をこう締めくくる。「『歩けない看護師なんて』という批判も耳にしたが、病気を経験したからこそ分かる(患者さんの)不安や焦り、いらだち、喜びがある」

(参照サイト:神戸新聞

追記コメント|看護師の転職・復職サポート!ナース.jp

勤務条件があわなく、現場復帰がなかなか出来ない看護師さんたちにとっては明るい話題ですね。
たとえ歩けなくても、医療の現場ではできる事も多いはず。
こえからも医療の現場の中でハブとして、活躍出来るようお祈りしています。

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